らんちゅうでどんなに実績のある方でも毎年「1からの戦い」となるのが当歳魚 づくり。ゼロからの戦いではなく1からの戦いと表現する意味、その1とは「種」。
毎年安定して成績を出す方、あるいはらんちゅうづくりを生業にされている方はそれぞれ自信の種魚をお持ちのようです。そしてその種魚はしばしば「とても会には使えない姿」をしています。
そんな「秘伝のタレ」を自分も持ちたい。
らんちゅう温室に加え、屋上に4つの坪池を新設し、必要あらばまだまだ10でも20でも舟を置くことができる施設を手に入れた今、私が一番欲しいものは秘伝のタレなのです。師匠がよく言われる「他人から見たら500円でも買わないって言うけど、こっちに言わせればその魚は500万円もらっても売らない」、そんな魚が理想ですね。
ある程度その期待が持てる系統の魚を入手してもこればかりはやってみないとわかりません。
1番仔の孵化を明日当たりに控えたこのペアがまずその候補。会では全然使えない魚です。果たしてどんな仔が出てくるのでしょうか。
こちらは昨年10月に採った秘伝のタレ候補。同じく秘伝のタレ候補だった彼らの両親が☆になってしまったためその子孫を育成しています。秋生まれなので会では使えません。この中からいいオスが出たら5月くらいに仔引きに使えるかもしれません。
このグループは会用なのか種用なのか今一つ決めきれないグループ。こういうどっちつかずがいけませんね。会用にしたかったのですがなかなか成長しないので種にしようかなと思っているところです。
これは当歳時に研究会などで活躍したグループ。彼らもサイズが伸びないので種としてのポテンシャルが問われるこの春になります。大きくなってくれれば会に使いたいのが2匹いるのですが。こんだけ小さいと会はちょっと難しいかなと。
小さいオスはメスをよく追う、とどなたかに伺ったのですが確かにこのチビ達のオスは性欲は旺盛のようです。そこは期待。
一方、こちらのほとんどは会用。今年の2歳と親はこの中の魚で戦うしかない状況です。我が家の明け2歳のビッグ3がこの中にいます。上の写真の明け2歳たちのサイズが伸びないのは私の育て方の問題なのかなと思ったりするのですが、ここの3匹はぐんぐん成長しています。このビッグ3を見ていると系統(大きくなる系統)も大事だなと思います。
なので会用のこのグループも種にしてみたくなる。で結局中途半端になる?
1月14日に生まれた関東アズマの仔はとても好調です。みんなまっすぐ。1万匹くらいいるかもしれません。ブラインもそこそこ行きわたっているようですが青水にして最低限の栄養だけは確保するようにしています。アズマは会を目指していないので無理なくゆっくり育成します。
アズマで何をしたいかというとこの3メートル池で100匹くらいを群泳させてみたいなと。アズマは群れる姿が美しいですよねー。20㎝くらいに育った関東アズマが100匹群泳する姿を写真に収めることができたら金魚史に残るインパクト絶大の写真になると思います。それが夢です。できるかな?
こちらは会社においてある120㎝水草水槽。
過去、5年連続参加している世界水草レイアウトコンテスト。締め切りは5月末。水草水槽の完成は2カ月かかるので3月には着手しないといけません。この写真の水槽はコンテストに出せるレベルではないので作り直しが必須です。
このコンテストは開催18年目。らんちゅうの世界よりは全然歴史の浅い世界。ところが最近はレベルが急上昇。いや、高すぎます。
過去のグランプリ作品|世界水草レイアウトコンテスト IAPLC
こんなのとても作れません。とくに2014年以降の世界1位の作品は想像の域を超えるレベル。
3月ではなく早めに着手する分には構わないのですが2月も3月も1年で最もらんちゅうと仕事が多忙。
水草水槽の世界一とらんちゅうの日本一。万一、どちらか一つかなうとしたら欲しいものは後者。それが今の気持ち。
水草のコンテスト、こちらはギブアップかなぁ。どうしようかなぁ。