春です。産卵が勢いに乗ると毎朝のようにこんなことになってきます。
今年は選択と集中作戦で行きたいので腹数はあまりとらない予定なのですが、昨日に続いて今日も2腹採れちゃいました。
2腹ともオスはこの魚。今後もたっぷりと働いてもらいたいので便宜上この魚に「殿様」という魚名をつけます。
昨年大当たりを出した今年3歳になるオスです。
系統管理に関しての知見が深いとても信頼できる方の筋の魚です。そのお弟子さんにあたる元々の所有者が当歳時の研究会で惨敗した際に手放そうとしていた(居酒屋のガラス水槽に放り込もうとしていた:笑)ものを「そんなもったいないことするならください」と無償で譲り受けた魚です。
あらためて今年のここまでの採卵状況を整理します。
1.1月7日産卵
今年は今のところ、殿様がらみ以外の採卵はこのペアだけです。母親は昨年の喜楽品評大会の当歳東大関、父親は同大会の立行司。10月から頻繁に産卵を繰り返していました。冬眠させずその勢いで早採りをする作戦で準備を進めてきました。それが成功。ここまではこの一腹の仔の育成のみに集中してきました。今のところ順調です。
我が家の今年の当歳の研究会用の柱です。大関の子は大関に非ずと言われるように会用から採った仔ということについての是非はあると思いますが、信頼できる系統の兄弟魚なので採ってみました。会用優等兄弟魚からの採卵という方法でF1だけでも会用が採れたら今後の仔引きに再現性があります。意義のあるチャレンジだと考えています。
2.1月15日産卵
今年の第2号は殿様とその長女(左:便宜上そう呼びます)でこの時期に採れました。が1号に比べて立ち上がり等良くなかったので針子の段階で早々に全部流しました。長女は会用として育成中で種用との評価はしていません。冬眠させていなかったので抱卵したまたまこのタイミングで産卵。この時はとりあえずとってみただけ、みたいなものです。
3.1月16日産卵
殿様と正室(本妻)で卵が採れたのですがなぜか受精しませんでした。正室は昨年の当たり腹の母親と目されている魚です。
4.4月11日産卵
約3か月ぶりに殿様と正室で採れました。孵化待ちです。
5.4月12日産卵(1)
今朝です。殿様と次女で採れました。親子掛けはこの次女が最も採ってみたかった組み合わせになります。次女は昨年の喜楽第一回研究会立行司の実績があります。今は種用扱いですが、会用への復活も期待してはいます。今回の結果があまり良くなければこの次女は会用に混ぜてサイズアップを図ってみたいと思います。
6.4月12日産卵(2)
殿様と三女です。この三女は昨年の黒子時点ではハネ組で亀のエサ候補でした。そのあとで「これはまれな大当たり腹なので1匹も捨ててはならない」という騒ぎになり、生き残って今に至る魚です。今にも産みそうなほどお腹が膨れていたので昨夜殿様と同じ舟に入れてスタンバイしていました。ただ、さすがに殿もお疲れのようでこの採卵ではほとんど精子が出なかった感じです。受精していないかもしれません。
殿様に事を考えながら、ふと思い立って徳川家の系図を調べてみました。
家康に男の子がたくさんいたことは間違いなく徳川家が15代続いた理由の一つになっているようです。我が家の殿様は家康になれるでしょうか。
私も若くはないので今後らんちゅうの系統管理を何十年もかけて幅広くできるわけではありません。そんな中で昨年偶然入手した最高のオズ種が「殿様」。本当に最高の種なのかどうかはわかりませんが実績とバックボーンを考えると殿様と呼ぶにふさわしいものはあると思います。
系統管理を学んでいくには軸となる魚がいた方が理解もしやすくきっと学びも多いでしょう。とりあえず「殿様」を軸に仔引きを楽しんでいきたいと思います。