らんちゅう会の会員減少の話はよく聞きますが、実際にはどんな状況なのでしょうか。
私が所有する日らんの冊子で最も古いものは平成28年のもの。そこに記載されている会員名簿の人数を最新の令和4年版と比較してみました。関東の会に絞っています。ここでいう会員数はいわゆる維持会員。協会登録で本籍を置いている会員の人数です。
この間に参入した三郷らんちゅう会(11名)は除外していますが、それを含めても関東のらんちゅう会員は77名が減少しているという事になります。
原因の一つはこの間に発生したコロナ渦があるのは間違いないと思います。しかしそこだけを原因と考えるのは楽観的過ぎるといえるでしょう。コロナとは無関係の理由もあると考えなければなりません。
昨日、金魚とメダカの卸売販売をしている会社で勤務している友人と話をする機会がありました。その会社自体は堅調に業績は上げているそうですが、それでも時系列でみると流通量は下落傾向なのだそうです。その会社はメダカより金魚の方が売り上げの多くを占めているとのこと。
つまり、社会的な背景としてあるのは全国的な金魚の流通量の減少なのでしょう。
らんちゅう愛好家の方も、らんちゅうありきで始まったのではなく、まず金魚が好きになって、やがてらんちゅうに行きついた、という方は多いと思います。私もそうでした。
という事は金魚市場の下落がらんちゅう会員の減少につながるという事です。
では、金魚市場の下落の原因は何でしょう。
間違いなくメダカの影響は受けていると思います。メダカは楊貴妃が誕生したのが2004年、幹之が誕生したのが2007年。この2品種の登場が金魚市場を侵食したことは想像に難くありません。
私は今、メダカ専門店を営んでいますが現場で感じる肌感覚では「暖かい季節になると自宅で観賞魚を飼育したい」という人は一定量発生しています。観賞魚人気そのものの衰退は感じられません。
観賞魚飼育初心者は確実に毎年全国で何千人も誕生しているはずなのです。それが昭和の時代は金魚に流れていたのが、近年はメダカに流れているという事だと思います。
100年以上続くらんちゅう会という魅力的な趣味の世界。第二次大戦すら跨いで乗り切ったその生命力は盤石であり、栄枯盛衰の波はつきもので一時的な会員の減少を悲観的に考えすぎる必要はない、という見方もあるでしょう。
しかしその基盤となる金魚市場が別の観賞魚(メダカ)に奪われている、という事象は明治大正昭和の時代にあったであろう一時的な栄枯盛衰とは異質のものです。
上記の16の会の合計会員数が半減して120人くらいなったらどうするのか。今後10年くらいでそうなることも決してあり得ないことではないと思います。各会の会員数平均が一桁、になるのです。
そうなると選択肢は二つだと思います。会の統廃合が選択肢のその一。多くの会は50年以上の歴史を持ちますから、これはその時点の会長さんにとってはとても重たい決断です。もう一つは各会の維持会員は一桁でも私のようにみんなが複数の会に所属してはしごして会を盛り上げるか。
そうなってくると任意団体と社団が背を向けながらやっている余裕もなくなるのかもしれません。
その可能性も視野に入れてらんちゅう会の在り方をみんなで考えていかなければいけない時期に来ているのだと思います。
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