ここ数日は黒子を洗面器にあげての観察を頻繁に行っています。
らんちゅう歴30年を超える大先輩らんちゅう師の方が経歴の浅いらんちゅう愛好家の方にこんなアドバイスをしていました。「今残っている60匹の黒子が全部識別できるように1匹1匹の顔を覚えなさい」と。
それを聞いて「え?そんなこと?難しい!」
これが私の感想でした。
とは言え「ムリ」で片づけてしまったら進歩はありません。
我が家でも先頭集団の黒子グループがちょうど60匹ほどいるのでその顔を覚える練習です。
私はまだまだらんちゅうが見えていません。もちろん審査員などまだまだやれる自信がありません。
品評大会やレベルの高い研究会でらんちゅうのこんな集団を見るとどれが優等候補なのかまるでわかりません。
しかしおそらく一流のベテランはこの中から良い魚を短時間で見極めてしまうのだと思います。
高校時代から38年続けているバドミントン。それならば体育館でこういうシーンを見ても1流選手とそうでない選手は数十秒程度で見分けることができます。そしてその理由も具体的に説明することができます。一人審査で東大関から選手のランク付けをする自信はあります。
でもその眼力と言語化能力を身に着けるのに30年くらいかかりました。
これを身に着ける過程において重要だった経験は次の二つです。
1.国際大会をカメラマンとして10年取材。世界TOP選手のプレーを誰よりも良い場所で誰よりもたくさん観察できたこと
2.母校の大学の監督業で1流選手と2流選手の境目をたくさん観察できたこと(母校はちょうどその境目のレベルだったこと)
特に大切なことは2番。1流と2流の違いについて感じたことを自信を持って言語化できることだと思います。
らんちゅうでも目利きの力を養うために同じことが必要なのではないでしょうか。
1.TOPレベルのらんちゅうをたくさん観察すること
日らん全国大会を生で見ることも大事ですが、値段が高くても本当にいい魚を買って手元で飼育してたくさん観察することの効果も高いと思います。
2.1流と2流の境目をよく観察しその違いを言語化できるようにすること
会用と会落ち、4点と3点、AとB、優等と小役、全国レベルとローカルレベル
いやぁこれは30年かかりますねぇ。
現在54歳。生きているうちに間に合わんぞこりゃ。